教養教育院の英語特別プログラムでは、1年生の春休みに3週間の英国シェフィールド大学での短期海外研修を行って、英語学習の総仕上げとすることになっています。昨年度はコロナ禍のために、実行することができなかったのですが、過去の研修の様子は教養教育院HPの短期海外研修ブログに掲載されています。
そのブログには、学生たちが英国で経験した様々な食べ物が紹介されています。驚くなかれ最多登場回数(たぶん)を誇るのがアフタヌーンティーです。例のお皿が3段重ねくらいになって、ケーキなどがいろいろ乗ったものです。ブルジョアですね。後はぐっと庶民的な料理が続き、次点がフィッシュ&チップスです。ご存じの方も多いと思いますが、英国でチップスと言えば、フライドポテトのことです。魚フライとフライドポテトの組み合わせです。英国の中華料理屋では、ライスにするかチップスにするか尋ねられることがあります。チップスを選ぶと八宝菜にフライドポテトが添えられ出てきます。驚きですね。ちなみに、日本のポテトチップス的なものは、クリスプスと言います。
1人だけ、 ホストマザーが作ってくれたステーキパイが美味しかったという学生がいました。ステーキパイと聞いて何を連想するでしょうか?なんとなくステーキとパイの組み合わせに違和感を覚えるのではないでしょうか?これとほぼ同じ料理で、ステーキ・アンド・キドニーパイというのがあります。僕は子供の頃、シャーロック・ホームズ物の愛読者でしたが、その中にステーキ・アンド・キドニーパイがよく出てきました。これが、ステーキと腎臓パイと翻訳されていて、分厚いビーフステーキとそれに添えられた謎のパイという組み合わせを想像していました。でも実は、牛肉と内臓をごった煮にしたもつ煮のようなものを詰めたパイのことでした。BBCのレシピによると、牛肉と子羊の腎臓を同じ量だけ使えと書いてあります。ステーキってなんだよと思いますが、研究社新英和中辞典には、「《主に英国で用いられる》 こま切れ牛肉」と書いてありした。
チップスやステーキ以外にも、学生たちが経験した食べ物に使われている英語には我々の印象と違うものが沢山あります。フィッシュケーキは、魚のコロッケみたいなものだし、シェファーズパイは、ジャガイモとひき肉からできていて、パイ生地のかけらも入っていません。ヨークシャー・プディングやクリスマス・プディングを見ると、プディングの定義を確かめたくなります。
食べ物とは関係なく単に英国から連想したのですが、先日(4月20日)に、ベイ・シティ・ローラーズのボーカル、レスリー・マッコーエンが死亡しました。ベイ・シティ・ローラーズは、1970年代に大ヒットした英国アイドルグループで、タータンチェックがトレードマークでした。このファッションをまねしたのが、日本で1980年代に大ヒットしたチェッカーズです。
レスリーは、日本人と結婚したりするのですが、この時代ベイ・シティ・ローラーズにあこがれて英国(正確には、スコットランドのエジンバラですが)に移住してしまう日本女性がかなりいました。これを見習ったほうがいいとは言いませんが、様々なことをとおして世界に興味を持つのは重要です。コロナ禍でどこにも出かけることができませんが、食べ物や本や映像を通して、世界に興味を持ってみてください。
ちなみに写真は、スコットランド出身でマンチェスターユナイテッドの伝説の名将アレックス・ファーガソンの蝋人形です。