シェフィールドにて①:学生と市民
この3月で教養教育機構長の任期が終了しました。この「機構長だより」も終了しますが、これまでの記事は残してもらえることになりました。これもみなさま方の暖かいご支援のおかげです。先日イギリスのシェフィールドに行ってきたので、そこで考えたことを何回かに書き残して、最後のご挨拶とさせていただきたいと思います。
3月18日、学生57名がイギリスシェフィールド大学での3週間の海外研修を終えて無事戻ってきました。期間中、私もシェフィールドに伺って、授業参観をし、学生たちがお世話になっている英語教育センター長にご挨拶して来ました。
シェフィールドで宿泊したホテルは大学が保有する風格のある古い建物で、木々に囲まれ、とてもいいところでした。まわりにはたくさんの近代的な建物がありましたが、みんな学生寮だとのことです(写真)。
大学自体は街の中心部にあるのですが、ヨーロッパの古い大学らしく街中にいろいろな大学の施設が点在しています。お昼休みになると学生たちがぞろぞろ街中に出てきます。大学の食堂やカフェもありますが、民間のものもたくさんあって、学生割引の表示があるところもあります。学生組合の選挙でもあるのでしょうか、路面電車の停留所にVote 〇〇!のような手書きの張り紙があったりします。
このところ日本では、本学のような地方大学は地域連携が重要だとされます。というより、大学の「ミッション」そのものになっています。国立大学は国民の税金で成り立っている以上地方の活性化に貢献するのは当たり前だと言われると否定のしようもありません。でも私は一部の学生を街に引き摺り出して、一時的に地域のためと何かさせることにいささか違和感を覚えます。それよりも学生たちが市民と共に生活し、勉強することが最も街を活気づけるような気がします。
本学からシェフィールドに行った学生たちは全員ホームステイをします。これまでの3回の研修でホームステイ先と大きなトラブルになったということは耳にしていません。今回もホストファミリーの方々にはたいへんお世話になり、シェフィールドに到着するのが遅れても出迎えに来てくださり、雪のために出発が前夜に繰り上がったときも快く対応していただいたようです。毎回学生の満足度は極めて高く、シェフィールド滞在中の学生のブログを読んでも、ホストファミリーから心のこもったもてなしを受けていることがわかります。
https://www.ars.mie-u.ac.jp/BLOG/overseas/
逆にホストファミリーから学生たちを世話してよかったと思われるようにしないといけないと思います。そして、日本や三重のこともたくさん話をしてほしいものです。それが三重だけではなく、シェフィールドへの地域貢献にもつながることでしょう。(続く)

三重大学 教養教育機構長
井口 靖
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