機構長あいさつ

director.jpg2015年4月より三重大学では新しい教養教育が始まりました。これまで約4年をかけて準備してきたものです。

新しい教養教育は大きな2つのカリキュラムから成り立っています。全部の学生が共通で履修する「共通カリキュラム」と各学部の理念に従って履修する「目的別カリキュラム」です。

「共通カリキュラム」には理念として次のものが掲げられています。

  • 自律的・能動的学修力の育成
  • グローバル化に対応できる人材の育成

世界はどんどん変化していきます。どんなに勉強しても卒業するときには、もう今の知識は通用しないかもしれません。あとは自分で学びながら進んでいくしかありません。それができる力が「自律的・能動的学修力」です。また、いくら自分は外国には行かない、と思っていても、外国から人や物はどんどんはいってくる時代です。情報にいたっては国境はないと言ってもよいでしょう。そんな時代に必要なのが「グローバル化に対応できる人材」です。共通カリキュラムにはこれらに沿った多様な科目が用意されています。詳しくは「カリキュラムの理念と内容」をご覧ください。

三重大学には5つの学部がありますが、それぞれの学部はどのような学生を育てるかという理念と方針を持っています。それに基づいた教養教育が「目的別カリキュラム」です。さらに広い教養をつけることを目指して科目を指定している学部・学科もありますし、専門で学ぶ科目の基礎力をつける科目を指定している学部・学科もあります。詳しくは『教養教育履修案内』をご覧ください。

 変わったのはカリキュラムだけではありません。それを運営する組織も変わりました。

2014年4月に「教養教育機構」が発足しました。教養教育を企画し、実施していくための専任教員から成る組織です。現在、専任教員17名と特任教員9名で構成されていますが、これら教員が中心となり、各学部の関係者とも連携して教養教育を運営していきます。本学でも教養教育の運営組織はこれまでさまざまな形をとってきました。今後は私たち教養教育機構が全学の中心となり、責任を持って教養教育を担っていくつもりです。詳しくは「教養教育関係組織」をご覧ください。

正直申し上げて、私自身、「『教養』とは何か」「『教養教育』はどうあるべきか」という問いにはっきりとした答を持っているわけではありません。一般には広く深い知識を持った人を「教養がある」ということがありますが、果たして「教養」とはそれだけのものなのでしょうか。それは永遠に答の出ない問いのようにも思えます。だからこそ、教養教育について常に問題意識を持ち、真剣に考え、議論を続けることのできる組織を作ったということは大いに意義あることだと考えています。

三重大学は教育の基本的目標として、4つの力(感じる力、考える力、コミュニケーション力、生きる力)の育成を掲げています。常に問題意識を持ち、たとえ答は見つからなくても常に考え、人と話し合う姿勢を持つこと、それがいわゆる「教養」にとって不可欠な要素であるのは確かでしょう。そのように考えると「教養」はまさに「生きる力」でもあります。常に変動する世の中にあって、どのような不測の事態が起こってもきちんと対応でき、地域と世界をつなぐことのできる人材を育成することに少しでもお手伝いができたらと思っています。